RustではじめるOIDC

RFC・仕様の索引

本書で扱った RFC と OpenID 仕様の一覧です。「扱う章」のうち太字の章は、 その文書を「RFCを読む」「仕様を読む」の節で原文から読解している章です。 RFC の種別や要請語の読み方はRFCの読み方にまとめています。 発行年月と現況は2026年10月16日に確認したものです。

HTTPと標準化の基礎

文書 発行 内容 扱う章
RFC 2119 / RFC 8174 (BCP 14) 1997-03 / 2017-05 要請語 MUST・SHOULD・MAY の意味。大文字のときだけ要請語として読む 1章
RFC 9110 HTTP Semantics 2022-06 HTTP の意味論。ステートレス性、認証の枠組み、ステータスコード、リダイレクト 1章、4章、22章
RFC 7617 Basic認証 2015-09 user-id とパスワードをコロンで連結し Base64 で送る認証スキーム。charset 引数 1章、13章
RFC 6265 Cookie 2011-04 Set-Cookie と Cookie ヘッダ、Secure・HttpOnly 属性。SameSite は改訂版ドラフトで定義 1章、24章

OAuth 2.0 の中核

文書 発行 内容 扱う章
RFC 6749 OAuth 2.0 Authorization Framework 2012-10 ロール、認可コードなど4つのグラント、エンドポイント、トークンレスポンス、エラー、セキュリティ上の考慮事項 2章、3章、4章、5章、6章、9章、13章、15章、20章
RFC 6750 Bearer Token Usage 2012-10 アクセストークンを Authorization: Bearer で送る方法と、WWW-Authenticate のエラー 4章、14章、16章
RFC 6819 Threat Model and Security Considerations 2013-01 OAuth 2.0 の脅威モデルと対策の分析 22章
RFC 9700 OAuth 2.0 Security BCP (BCP 240) 2025-01 RFC 6749/6750/6819 を更新する現在のセキュリティ要件。PKCE、完全一致、インプリシットと ROPC の非推奨・禁止 9章、12章、15章、19章、22章、25章

JOSE とトークンの形式

文書 発行 内容 扱う章
RFC 7515 JWS 2015-05 JSON で署名・MAC を表すデータ構造とコンパクトシリアライゼーション 5章、7章、23章
RFC 7516 JWE 2015-05 JSON で暗号化を表すデータ構造 7章
RFC 7517 JWK 2015-05 暗号鍵を JSON で表す形式と JWK Set 7章、10章
RFC 7518 JWA 2015-05 JWS・JWE・JWK で使うアルゴリズム名(HS256、RS256、ES256 など) 5章、7章、23章
RFC 7519 JWT 2015-05 クレームの集合を JWS/JWE で表す形式と登録済みクレーム 7章、8章、23章
RFC 7638 JWK Thumbprint 2015-09 JWK の必須メンバーから鍵の識別子を計算する方法 7章、10章、16章
RFC 8725 JWT BCP 2020-02 JWT の安全な使い方。alg の検証、明示的型付け、issuer と audience の検証 23章、26章
RFC 9068 JWT Profile for Access Tokens 2021-10 アクセストークンを JWT で発行するときの形式(typ=at+jwt)と検証 14章
RFC 9864 Fully-Specified Algorithms 2025-10 曲線やハッシュまで1つに決まるアルゴリズム識別子。Ed25519 など 23章、25章
RFC 9901 SD-JWT 2025-11 JWT のクレームを選択的に開示する形式。Disclosure と _sd ダイジェスト 27章

OpenID Connect の仕様(OpenID Foundation)

文書 発行 内容 扱う章
OpenID Connect Core 1.0 (errata set 2) 2023-12 ID トークン、認証リクエスト、ID トークンの検証、UserInfo、クレーム、pairwise 識別子 6章、8章、9章、10章、11章、12章、13章、15章、18章、19章、26章
OpenID Connect Discovery 1.0 2023-12 OP のメタデータを well-known URI で公開する方法と issuer の検証 10章
OpenID Connect RP-Initiated Logout 1.0 2022-09 RP が OP にログアウトを依頼する方法 21章
OpenID Connect Front-Channel Logout 1.0 2022-09 OP が iframe で RP にログアウトを伝える方法 21章
OpenID Connect Back-Channel Logout 1.0 (errata set 1) 2023-12 OP がログアウトトークンを RP に直接送る方法 21章
OpenID Connect Session Management 1.0 2022-09 iframe と postMessage で OP のセッションの変化を検出する方法 21章
OAuth 2.0 Multiple Response Type Encoding Practices 2014-02 response_type の組み合わせと response_mode 19章
OAuth 2.0 Form Post Response Mode 2015-04 認可レスポンスを自動送信のフォームで POST する応答モード 19章
OpenID Connect CIBA Core 1.0 2021-09 利用者の別の端末で認証を行うバックチャネルのフロー 20章
FAPI 2.0 Security Profile / Attacker Model 2025-02 高いセキュリティを要求する API のためのプロファイルと、その前提の攻撃者モデル 25章
FAPI 2.0 Message Signing 2025-09 リクエストとレスポンスの署名による否認防止 25章
OpenID Federation 1.0 / 1.1 2026-02 / 2026-05 トラストチェーンでエンティティ間の信頼を確立する仕組み 27章

OAuth 2.0 の拡張

文書 発行 内容 扱う章
RFC 7009 Token Revocation 2013-08 クライアントがトークンの失効を依頼するエンドポイント 14章、21章
RFC 7521 / RFC 7523 Assertion Framework / JWT Profile 2015-05 JWT をクライアント認証(private_key_jwt)と認可グラントに使う方法 13章、20章
RFC 7591 Dynamic Client Registration 2015-07 クライアントを API で登録する方法 13章、27章
RFC 7636 PKCE 2015-09 code_verifier と code_challenge で認可コードの横取りを防ぐ方法 9章、11章、12章
RFC 7662 Token Introspection 2015-10 リソースサーバがトークンの状態を認可サーバに問い合わせる方法 14章
RFC 7800 Proof-of-Possession Key Semantics for JWTs 2016-04 JWT に cnf クレームで鍵を結びつける方法 16章
RFC 8176 Authentication Method Reference Values 2017-06 amr クレームの値(pwd、otp、hwk など) 18章
RFC 8414 Authorization Server Metadata 2018-06 認可サーバのメタデータの形式と取得方法 10章
RFC 8628 Device Authorization Grant 2019-08 入力手段の限られた端末のためのグラント 20章
RFC 8693 Token Exchange 2020-01 トークンを別のトークンに交換する方法。委任となりすまし 20章
RFC 8705 Mutual-TLS 2020-02 mTLS によるクライアント認証と証明書束縛トークン 13章、16章
RFC 8707 Resource Indicators 2020-02 resource パラメータでトークンの宛先を指定する方法 14章、27章
RFC 9101 JAR 2021-08 認可リクエストを署名付き JWT で送る方法 17章
RFC 9126 PAR 2021-09 認可リクエストをバックチャネルで事前に送る方法 17章、25章
RFC 9207 Issuer Identification 2022-03 認可レスポンスに iss を付けてミックスアップ攻撃を防ぐ方法 17章
RFC 9396 Rich Authorization Requests 2023-05 authorization_details で細かい権限を要求する方法 17章
RFC 9449 DPoP 2023-09 アプリケーション層の所有証明でトークンを送信者に束縛する方法 16章
RFC 9470 Step Up Authentication Challenge 2023-09 リソースサーバがより強い認証を要求する方法 18章
RFC 9701 JWT Response for Token Introspection 2025-01 イントロスペクションの応答を署名付き JWT で返す方法 14章
RFC 9728 Protected Resource Metadata 2025-04 リソースサーバのメタデータと、対応する認可サーバの発見 14章、27章

アプリケーションの種類ごとの BCP

文書 発行 内容 扱う章
RFC 8252 OAuth 2.0 for Native Apps (BCP 212) 2017-10 ネイティブアプリは外部ユーザーエージェントを使う。ループバックと claimed https 24章
RFC 10017 OAuth 2.0 for Browser-Based Applications (BCP 212) 2026-08 ブラウザアプリの脅威と3つのアーキテクチャ(BFF、トークン仲介バックエンド、ブラウザ内クライアント) 11章、24章
RFC 10027 Cross-Device Flows (BCP) 2026-08 別の端末で認可するフローの脅威と対策 20章

策定中の文書(Internet-Draft)

次の文書は策定中で、まだRFCになっていません。版が変わると内容も変わる可能性があります。表の版は2026年10月16日時点の最新版です。

文書 発行 内容 扱う章
draft-ietf-oauth-v2-1-16 OAuth 2.1 2026-09 OAuth 2.0 と後続の BCP を1つの文書に統合する改訂版 25章
draft-ietf-oauth-rfc8725bis-10 JWT BCP 改訂 2026-08 RFC 8725 の改訂版。kid・jku の扱いや明示的型付けを強化 23章
draft-ietf-oauth-client-id-metadata-document-02 2026-07 URL を client_id にしてメタデータを公開する登録方法 13章、27章
draft-ietf-oauth-sd-jwt-vc 2026 SD-JWT を検証可能クレデンシャルに使う形式 27章

文書どうしの関係

主要な文書の更新関係と依存関係を図にまとめます。矢印は「左の文書が右の文書を前提にする、または更新する」ことを表します。

更新

更新

統合

統合

統合

RFC 6749
OAuth 2.0

RFC 6750
Bearer

RFC 9700
Security BCP

RFC 7636
PKCE

OIDC Core 1.0

RFC 7519
JWT

RFC 7515
JWS

RFC 7518
JWA

RFC 7517
JWK

OIDC Discovery

RFC 8414
AS Metadata

OAuth 2.1
(draft-16)

FAPI 2.0

RFC 9126
PAR

RFC 9449
DPoP

この図の中心は RFC 6749 です。OpenID Connect Core 1.0 は RFC 6749 と JWT を前提にした拡張であり、RFC 9700 は RFC 6749 の要件を更新しています。OAuth 2.1 はこれらを1つの文書に統合するドラフトで、FAPI 2.0 は RFC 9700 の推奨に加えて PAR や送信者制約を必須にしたプロファイルです。